久しぶりの感覚、
狙ったところに芯先を置けない、滑らかになぞれない、形も取れない
自分はアニメーターとしては致命的に線がヘタクソ過ぎる。
一度陥ってしまうと、もう病的なもので、遠景のキャラのラフ1枚に
消しゴムの芯3~4本と、6時間以上かかってもまだ終わらなかったりして、
不安定過ぎて死にたくなる。

「絵師はクーラーの聞いた部屋でのほほんと描いてるイメージ」
って前に流行った(?)けど、たぶん、本当の絵描きやアニメーターって
実際には「アーティスト」っていうよりは
スポーツマンとか「アスリート」に近いものだと思う。

才能もそうなんだけど、加えて、早さとか、物量がものをいう世界。
勝ち負けがそのまま自分の生死につながる感じ。
泣きながら、身体を壊しながら闘っている人も多い。

今週は、なんだかずっとツイッターで「ありがとうございます」
ばっかり言ってて、全然作業が進んでなかった気がする･･･
でも、ネット始めてからずっと憧れてきた絵師さんや作家さんなんかとも
ちょっとだけだけど、やりとりとかできて嬉しかったw

自分は、才能には恵まれなかったものの、
人との出会いには恵まれていたのだと思う。
もちろん、良い人ばかりだったというわけではなくて、
中にはもう、あまり関わりたくもないという人もいるのですが･･･。

改めまして、FRENZ2013に参加させていただきました。
制作期間2ヶ月、動画枚数500枚前後？＋靴130枚くらい


昔描こうと思っていたネタで｢靴だけ本物の幽霊｣っていうのがありまして、
その時点では、ロングスカートで足首までを隠して
人間社会で周りにバレないように暮らしている、って設定だったんですけど、
後に観た『雨に唄えば』に衝撃を受けて、
「足のない幽霊がタップダンスを踊ったら面白そう！」
っていうのを2年前くらいから時々考えていました。
ていうか一番は自分がそれを観たかっただけですが。

はじめはセーラー服のイメージでしたが、途中から和服の死装束になりました。
その方がぱっと見で幽霊だとわかりやすいし、
袖のアクションとかもできるかと思って。
靴は別セルで作って、前後上下左右のだいたい全方向から描いた片足を
左右反転させて２足作って、AE上で１コマずつ音に合わせながら並べています。
出来れば靴のタップの1音1音と合わせたかったので、
幽霊ちゃんと同セルで描くよりは遥かに楽だったとは思いますが、
数秒ずつ細かく書き出しながらタップの「ﾀﾀﾀ､ﾀﾀﾀ････」をフレーム単位で
納得のいく形になるまで1日中何度もリピートしながら合わせていく作業は、
ほんと･･･気が滅入る思いで･･･靴だけで1週間以上掛かりました････。
自分の作業が遅いだけですが。
でも足が繋がっていないので、重心や上下動は誤魔化せたし、
それを活かせるアクションを考えるのは楽しかったです。
もし足が繋がってるキャラで1音ずつ合わせろ言われたら本当に地獄････。

当初は原曲に合わせて3分ちょっとの動画になる予定でしたが
全然間に合わなくて後半だいぶカットしています。
色々考えてたんだけどなぁ････。

最後のクレジットと静止画はギリギリになって付け加えたものでした。
細かい設定は特に決めていないのですが、
死んでしまった純和風な幽霊の女の子は、
生前、映画で観た世界に憧れを持っていたのだと思います。
ちなみに、左右の靴にはそれぞれ別の魂が入っていて、
なんとなく性格が違っていたりします。

そんな感じ。

FRENZ終わってから、
ツイッターのフォロワーさんが1日で100人以上増えました･･･。
その中には映像関係で腕を振るっているその筋では有名な人も多く、
ちょっと、もう、あたふたしています･･･;
自分、そんなんじゃないんです。
現状、25歳、ひきこもりのニートなんです。
暗くて、頭もおかしい、不安定で狂っている。
能力的にはその辺の高校生よりも下なんですよ！
みんな過大評価し過ぎです！

今週はFRENZの残党(修正)を片付けながら、
買い漁った資料やら、借りてきたDVDを消化しながら
色々構想を練っている感じ。

やっぱり完成前に他人の目が入るというのは大切で、
自分の中では完結して、これでベスト！って思っていても
冷静な客観が入ると色々と悪いところがみつかったり、
それも複数人で意見が違ったり。

････自分が下手なことくらいわかっている。
技術もないし、早さもない。
おまけに体力もないし、メンタルも弱い。
社会に出たって出世できる気がしないし、興味もない。
それでも、なのに吐き出したいアイディアがある。
だけどきっと、同じ土俵に立ったって勝てるわけが無い。
人の自主制作の動画とか、卒業制作(特に海外の)とか観てると
自分は本当に色々と『遅い』人間なのだと思い知らされる。
正攻法じゃ駄目だ。
力も武器も足りない、もっと試行錯誤、模索しなきゃ。
でも、スタジオ４℃とかの短編集とかを観てると
そのとんでもなくぶっ飛んだ世界観の距離に絶望する。

自分のは精々、ボカロとかの「描いてみた」動画でしかない。
音にシンクロした映像が好きだから、楽曲有りきで始まって、
ある程度テーマやキャラクターも用意されていて、
一部の層にはとっつき易く、著作の許可やコンタクトも取りやすい。
だからつい、そっちに流れてしまう。
自分が非生命体萌えというのもあるのだけど･･･(ロボとかオバケとか)

あまりズルズルするのは良くないのはわかっているのだけれど、
あと３本吐き出すまではニートを続けたい。
ボカロ動画だけどさ････
でも、何も知らない人が観てもわかるような面白さでありたい。
特に最後の１本は絶対この世に残したい。
それくらい最終目標。

昔、「時間掛ければ誰だって上手く描ける」って言われたんだ。
(だから時間を掛けてはいけないの意↑)
問題は誰にも時間が無いこと。
ならば、人生を棒に振っても良いから時間がほしい。
今いるところは放射能まみれだし、いつまた大地震が起きてもおかしくない。
せめてあと１年くらいは、どうか平和であってほしい。

死ぬのが怖い。