ツラかったけど、幸せだった。
考え方は違えど、きっと一緒だった。

隠す余裕なんて無かったから
良くも悪くも本心でぶつかって、
怒ったり泣いたりもして、
それでも笑ってくれて、
優しくしてくれて、
なのに、力になれなくて、
こんなに悔しくても、全部を捨てることができなくて、
苦しいことばっかりだったけど、
でも、やっぱり好きだった。

周りには、まるで及びはしなかったけど、
たぶん、人生で一番頑張った時間だった。
ここで働けて良かった。
もうプロとして一緒に闘うことはできなくても、
これからはファンとして、
かつての大好きだった仲間を応援させて欲しい。
ここでの時間を忘れたくないし、無駄にはしない。

そうだ、そのために僕は
日記を書くようになったんだ。

これからはまた違う道になってしまうけど、
会えなくても、いつかどこかで名前が届くときに、
お世話になった人たちに恥じないように、
頑張るから、きっとずっと好きだから、

本当に感謝しています。
ありがとうございました。

今週いっぱいで、ががめのアニメーター生活は終了となります。
とりあえず、今の手持ちのカットを終わらせて、
たぶん、その次にとるカットが人生最後のカットとなると思います。
出来れば最後は自社作品で閉めたいなぁ･･･。

毎年、６月が終わると、ががめの年齢がひとつ増えます。
いつかの憧れだった伊吹マヤ嬢と同い年になってしまいました。
もういい歳です。
夢の会社で働ける日々も、あと20日を切りました。
数ヶ月の準備の末、ついに本編がスタートして、
いざ、これから、というときなのに。

他の同僚ならきっと、このくらいはこなしてくる、

「出来ます」「大丈夫」

って、無理して出来もしない量を抱え込んで、
ただ、もう全部がおしまいなのだから、って、
気合でなんとかしなければ、って、
始めから破綻している計算のままに、
とにかく、がむしゃらに、頑張らなければ、って
食事も睡眠も２日に１度に削って、
意識と眼球の限界まで頑張って、
挙句、ふらふらになって、品質は落ちて、
納期にも間に合わせられず、
周りの足並みを乱し、引っ掻き回して、
普段以上に他人の手を煩わせてしまって、
不安と心配と迷惑の塊みたいになってしまって、

「やつれてる、頬、コケてるよ」って、
「(ががめ)くんは帰って寝ろ」って、
「今度やったらもう君に仕事は回さない」って、

そんなやつに何を任せられるわけもなく、
着いても行けず、追い付けもせず、
本当は、未だに現実を受け入れられなくて、
見栄を張って、悔しさの中に狂ってしまって、

いったい、何やってんだろうなぁ、俺は･･･

後ろで雑談していたチーフと目が合って、
「(ががめ)くんは最近体調どう？」って訊かれた。
なんだよそれ。
僕はチーフのそういうところが苦手である。
いつもは怒ってばかりのくせに、
なんて顔をするんだよ。