いわゆるチラシの裏。
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バスの待合室のベンチで、男の子がひとり泣いていた。
「どうした、坊主?」
声をかけたのは汚いナリをした男だった。
男の子はそちらを見ないままに云う。
「大人なんて嫌いだ。
大人はズルイ。僕はあんな大人になんかなるもんか。」
「がはははは。でもなあ坊主、
ズルもいつかは覚えておかないと、大人になったときに苦労するぞ?」
「それでもいい。僕は絶対にズルなんかしない大人になるんだ。」
上りのバスが来る。しかし、表示されている行き先は
漢字が難しくて、その男の子にはまだ読むことができなかった。
どうしようかと迷っている男の子のうしろから、
「乗らんのか?次に来るバスは―、まだだいぶ先になるなあ。」と男が笑う。
苛立ち混じりに「うるさい。」と、その男の顔も見ずに
男の子はその上りのバスに飛び乗った。
扉が閉まり、発進するバスに、ベンチに座ったままの男が叫んだ。
「頑張れよ―。小児半額だからな。
いまのうちなら俺よりも倍は遠くへ行けるさ。」
少しして、上りとも下りとも付かないバスが来た。
汚いナリをした男は、いつの間にかベンチにはいなくなっていた。
「どうした、坊主?」
声をかけたのは汚いナリをした男だった。
男の子はそちらを見ないままに云う。
「大人なんて嫌いだ。
大人はズルイ。僕はあんな大人になんかなるもんか。」
「がはははは。でもなあ坊主、
ズルもいつかは覚えておかないと、大人になったときに苦労するぞ?」
「それでもいい。僕は絶対にズルなんかしない大人になるんだ。」
上りのバスが来る。しかし、表示されている行き先は
漢字が難しくて、その男の子にはまだ読むことができなかった。
どうしようかと迷っている男の子のうしろから、
「乗らんのか?次に来るバスは―、まだだいぶ先になるなあ。」と男が笑う。
苛立ち混じりに「うるさい。」と、その男の顔も見ずに
男の子はその上りのバスに飛び乗った。
扉が閉まり、発進するバスに、ベンチに座ったままの男が叫んだ。
「頑張れよ―。小児半額だからな。
いまのうちなら俺よりも倍は遠くへ行けるさ。」
少しして、上りとも下りとも付かないバスが来た。
汚いナリをした男は、いつの間にかベンチにはいなくなっていた。
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